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2012年6月16日土曜日

【福島原発 致死量の放射能放出】と2011/3/19海外メディア報道


海外メディアの報道がかなり日本と違っていたので、気になって訳してみました。記事のトップを飾るのは東京電力の小森常務です。東電、福島第二原発元社員の小野俊一先生によると、小森常務は嘘がつけない非常に正直な人で、放射能汚染があまりにも深刻なため、会見の後泣いてしまったようです。現在は当時と違う検証結果が出ている物もあるので、そのあたりの記事は直訳していません。記事を読んでいて、どうしても物申したい部分があったので、カッコ書きで書いてありますが、お目障りでしたら飛ばして下さい。

東京電力小森常務、福島にて記者会見のあと泣き崩れる


2011/3/19 Mail Online紙


福島原発 致死量の放射能放出

・ 福島原発はチェルノブイリのようにコンクリートに覆わなければならないだろう、と政府高官
・ 日本政府は事故レベルを4からスリーマイルと同じ5に引き上げた(4月に総選挙が終わった2日後、6を飛び越して最高レベル7に上げた)
・ 地震と津波、深刻な複合災害は想定外
・ 爆発時の破片がカリフォルニアまで到達
・ 自衛隊トラックにて決死の注水作業 (自衛隊の人たち、ありがとう)

原発を運用する企業の重役が泣き崩れた。国民は加熱しつづける原子炉から致死量の放射能が漏れたことを知らされた。(日本のメディアは報道していないので知らされていないですが)

原子力安全・保安院は事故レベルを5に引き上げた。これはIAEAの基準によると「放射能による死者が出る」レベルとなる。

政府高官によると原子炉から大量の放射能漏れがあるとみられ、事故レベルを引き上げた。福島の核燃料のうち3%が深刻なダメージを受けたと語り、一部の核燃料がメルトダウンしていることを示唆した。(メルトダウンしてないって言ってなかった?)

東京電力の小森常務は福島での記者会見の後、泣き崩れた。閣僚も地震と津波が複合で起こったため想定外であったと語った。(地震速報の時「この地震による津波の心配はありません」とか「津波警報出ました」とか必ず言ってるよね)

小森氏は、政府は早く放射能漏れの深刻さを認めるべきだと語った。(!)

枝野官房長官(当時)は「未曽有の大地震と津波に襲われ、災害対策でも想定していない事が連鎖的に起こった」と語った。「今から思えば、もっと迅速に情報収集、事態の把握、情報の提供に徹するべきだった」

原子力の専門家は、日本は事態の深刻さをわざと低めに捉えていると指摘する。

1979年のペンシルバニア州のスリーマイル原発事故と同レベルだが、過去に爆発があったのは1986年のチェルノブイリ原発事故しかない。

原子力安全・保安院の西山英彦審議官は原子炉を制御下に置く事ができるかわからない、としている。(保安院の検査官は8人全員、原発の爆発直後に郡山まで逃げてしまい、情報収集できてなかったから、そりゃわからないよね)

「放水作業は目に見えない炎との闘い。炎は燃え広がっていないが、制御下に置けるかどうかわからない」

しかし菅直人首相は日本はこの災害を乗り越えられる、と言う。

「また1からやり直しましょう。たゆまぬ国民の努力により、小さな島国が奇跡的な経済成長を遂げたのですから。こんども頑張りましょう」

爆発の衝撃で4号機の建家の壁は崩壊。使用済み燃料プールに核燃料を運ぶ緑色のクレーンがむき出しになっている

 (ここで爆発で壁が崩れ落ちた原子炉建家の写真が掲載され、4号機の使用済み燃料プールが損傷を受け、燃料が燃え出し、大量の放射能を放出している可能性があると報道している。しかし、後に東電が撮影した映像を見る限りでは、4号機のプールの中には水があり、核燃料が整然と並んでいる。もし映像が本当ならば、素人目に見ても燃料が爆発したとは考えにくい。当時、世界のメディアが最も懸念していたのが、実は点検のため運転を停止していた4号機だった。4号機は燃料を原子炉から全て出して、使用済み燃料プールに保管していた。厚く覆われた原子炉の外に燃料を全て置いてあったため、プールが損傷すれば核燃料が燃え出して大量の放射能を出す危険性があったからだ。4号機の爆発の理由については、未だによくわかっていない)

後日東電が発表した4号機の使用済み燃料プールの写真
 放射能の専門家によると、2週間以内に放射性物質がイギリスまで到達するだろう。しかし、カリフォルニアに到達したケースのように、危険なレベルではない、としている。

国連はアメリカに到達している放射能の量は、健康被害を生じる量の10億分の1であるとしている。(アメリカもここで「危ない」と言ってしまったら、原子炉を止めなくてはならなくなる)

ヨーロッパ全土にも福島からの放射能が到達するが、健康被害はないレベルだという。通常ではあり得ないことだが、危険性はなく、あまり心配することはないそうだ。

2週間で破片が到達するというのは、中国で核実験を行った時の観測データを元に算出している。

福島第一で働く人々はチェルノブイリ級の事故の中、多大な危険にさらされながら、必死にメルトダウンを食い止めるために作業している。(日本のメディアは当時、福島第一の事故はチェルノブイリより危険度が低いと報道していたが、海外メディアはすでにチェルノブイリ級と報道していた。しかし作業員の皆さん、危険な中、作業どうもありがとう)

最近撮影された写真では、4号機の原子炉建家の壁が爆発で吹き飛び、核燃料を運ぶ緑色のクレーンがむき出しになっているのが見える。

事故前の4号機の使用済み燃料プール
政府高官は福島で、危機を食い止めるための選択肢がだんだんなくなってきていると語る。自衛隊の放水車が原子炉に向かって放水を続けている。(自衛隊、消防庁、機動隊の人たち、どうもありがとう)

技術者たちは津波で破壊された冷却装置を復旧させるため、電線の敷設を行なっている。(頑張って!)

将来チェルノブイリと同じく、東電は原子炉をコンクリートで覆い、放射能の拡散を防ぐことを考えている。

「原子炉をコンクリートで覆うのは不可能ではないでしょう。しかし現段階での優先事項は原発を冷温停止させることです」と東電幹部は語った。

専門家たちはコンクリートで覆うにもリスクが伴うという。

カリフォルニアのサンディエゴ州立大学のマリー・ジャネックス教授によると、チェルノブイリ・オプションと呼ばれているこの方法は、原子炉が損傷を受けている時に有効な方法だという。

「原子炉とはコーヒーメーカーのようなものです。放っておくと水分が全部蒸発して、最後は壊れてしまいます。コンクリートで覆ったからといって、コーヒーメーカーが安全になるというわけではありません。最終的にはコンクリートで覆うべきですが」

IAEAの天野之弥事務局長は「作業員は時間との戦いとなる」と語っている。(あなた方が物騒なもの作ったからね)

事故後の福島第一原発の衛星写真。建家が壊れ、放射能を帯びた煙が上がっている

2号機の原子炉への送電線を敷設。事態は大きく前進した。冷却装置を稼働させ、メルトダウンを防ぐことができるだろう。(しかし最近の調査で、2号機の格納容器に亀裂があり、放射能漏れが深刻とわかった)

重大な損傷の中、こういったシステムが確実に功を奏すかは依然不明のまま。

事故から8日経ち、日本政府は外国からの、チェルノブイリに次ぐ重大な原発事故に対する批判が高まっている。外国政府は専門家や国民への情報提供が十分でないと指摘する。

政府は原発から20km圏内を危険区域として住民を退避させた。30km圏内を警戒区域とし、さらに14万人に自宅に戻らないよう指示した。
防護服に身を固め、原発に向かう職員たち

しかしイギリス政府は日本政府に対し、この災害に対しもっとオープンになるべきとし、原発から50km圏内は立ち入らないよう、また250km離れた東京からも退避した方がよい、と助言した。(え、イギリスそんな事言ったの!!!)

昨日、人々が各地に避難するため、東京の空港はかなり混雑した。


 イギリス外務省はチャーター機を手配し、600人のイギリス人を祖国に避難させた。

アメリカ、フランス、オーストラリア政府も自国民に対し、原発付近から退避するよう呼びかけている。

地震と津波から1週間経ったが、政府は災害の危機と戦っている。

6つの原子炉のうち、4つで爆発が起き、大気中に低放射性の雲ができた。(放射性の雲って、広島の原爆の時のような…)

「フクシマ・フィフティ」と呼ばれる50人の作業チームがメルトダウンを防ぐため現地で戦っている。しかし放射能レベルが極めて高く、ほとんどの施設に近づくことができない。(事故前は東電、下請け、孫請け、ひ孫請け、点検の検査員も入れて、総勢5800人が福島第一原発で働いていたが、事故直後危険が高まり、最後に残ったのはわずか50人の作業員たちだった。当初東電の清水社長はあまりにも危険が増したため、作業員を全員避難させたい、と言ったが菅直人首相(当時)が「そんな事は絶対に許さない。最低限でもいいから人を残して原発を制御し、何が何でも止めろ。そうしなければ東電を潰す」と社長を一喝し、残ったのがその50人であった。日本のマスコミはまったく報道しなかったが、海外のマスコミは残った50人を「フクシマ・フィフティ」と名付け、「人類を救う名も無き英雄たち」と絶賛した。)

水素爆発により建家の屋根が吹っ飛び、核燃料プールがふきっさらしになっている。おそらくタンクが地震により損傷し、最近の数日間で水位が下がってきている。3号機から放射性物質が放出され、警戒レベルに達している。(え!そんな事聞いてないけど?!)

いわきで準備中の消防

 ウランだけを燃料としている他の原子炉と違い、3号機はウランとプルトニウムの混合燃料が使われている。プルトニウムは核兵器の材料としてよく知られているが、自然界に放出されると極めて危険な物質である。

最悪のケースを想定すると、外気にさらされた核燃料が溶け、化学反応を起こして爆発、放射性を帯びた灰が数百メートル放出されるだろう。

自衛隊のヘリコプター「チヌーク」が、300フィート以下で飛行し、上空から水を投下した。燃料プールの水を増やし、核燃料を冷やそうと試みた。(自衛隊の皆さん、ありがとう!)

しかし、映像を見ると投下した7000リットルのうち、目標物に命中したのはほんのわずかな量だけだった。

その後、地上から高圧放水車により放水作業が実施されたが、放射能のレベルは3700ミリシーベルトから4000ミリシーベルトに上昇した。

これだけの線量に侵されれば、たくさんの人が病気になり死に至るだろう。東京電力は2号機への電線を敷設し、冷却器稼働を試みている。

東京電力のスポークスマン、小林照明氏は「これは復旧への第一歩です。できる限りの事をすべて行なっています。事態が良くなるよう祈っています」と語る。



日本を脱出する人々で混雑する成田空港

日本を脱出するフライト待ちで、疲れきって床で寝入る子どもたち。(成田空港)

(私は最近になって「フクシマ・フィフティ」の事を知り、大事な事は何も知らされていなかったのだ、とひどくショックを受けた。彼らの事を書くと原発事故を美談にするな、と怒る人もいるが、私は中身が外人なので、単純に彼らの働きには深く感謝している。事故当時、私は超貧乏で家にはネット環境がなく、出先でインターネットをしていた。日本の報道は毎日チェックしていたが、海外の報道までゆっくりチェックする時間がなかったし、あまりツイッターもやっていなかった。今思えば、正確な情報収集とライフラインのため、インターネットかスマートフォン、少なくともどちらか一つを持っておいた方がいい、と反省した。また、日本のメディアは政府に統制されているフシがあり、ツイッターなどの情報源の方が信頼できると感じる。口コミにはたまにデマもあるが、海外でどういった報道がなされているか情報が流れて来ることも多く、そういった情報にはある程度の信頼性を置ける。)

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